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明るく楽しい乳がん患者のすすめ

「がんと仕事」どうやって両立しますか?

LHがんと就労の話になりますが、病気になるということは、本人の場合、ご家族の場合もありますよね。4、50代くらいから親や自分の病気が増えてくる時期ですね。また、小さなお子さんがいれば突発的な病気もあるし、ご家庭の環境によっていろいろあると思います。ただ、今後はサポートが必要な時に、社内でこれを受けられる環境にないと働き続けることが難しいと思いました。

風間がん治療と仕事の両立については私はうちの会社の多様な働き方を推奨するいろいろな制度に助けられました。今は制度改革がさらに進み、完全フルフレックスになり、リモートワークを推奨しています。
私はうけていないですけれども、放射線治療は25回あるじゃないですか。

有給休暇を一日単位でしか取れない会社だと、有給はあっという間になくなり、欠勤せざるを得なくなる。そうなると周囲に申し訳ないという気持ちも働き、退職せざるを得なくなる。会社の制度も大事ですが、やはり周囲の理解というのも大事です。お互い様じゃないですが、私は部下が女性ばっかりだったので子育て中や親が病気の人もいる中で、自分が病気になって「ここの期間を休むからあなた達任せたよ」っていうことが言えたという環境はありがたかったですね。

LHそれが言えない方も多いですよね。知られたくないという方も多いと思いますが、やはり自分や家族の病気について言えない会社というのは働きづらいということになりますね。
あとは、仕事は辞めないほうが良いということですね。会社や周りのサポートが重要になってくる。治療中、復帰直後はできることをできる範囲でやれる環境が大切だと思います。

風間私は言って楽になりました。言わないと先に進めない。だって10日から2週間は入院してしまうとなると休まざるを得ないし、抗がん剤をやると決まった時には抗がん剤をやるとどうなるか分かんなかったですし。副作用でどんな風になるのかがわからないので、言ってサポートしてもらうしかないと思いました。

LHこれまでに大病したことはあったのですか?

風間子宮筋腫を取りましたが、それ以外は病気で会社を休んだことがない、休まない。熱も出ない(笑)。有給休暇は病欠では使わない、その代わり好きな時に、旅行に行く。

LHそうなのですね。素晴らしい!!

風間だから抗がん剤は具合が悪くなるっていう想像ができなくてそれが本当に不安でした。

LH抗がん剤は使ってみてどうでしたか?

風間それが結構平気だったんですよ(笑)。

LH良かったですね。

風間抗がん剤をやる前に外来で話をして、入院すると思っていたら「今は外来、外来!」と言われて「えっ?」と。「働きながら?」、「(みんな外来で)やってる、やってる。だから、金曜日にやればいいじゃない」と。要は、金曜日に有給を取って土日休めば復活できるからと、言ってくれる先生だったんです。

LHいいですね~(ほのぼの)。

風間「あー、なるほど!」と。

医師、医療従事者、副作用との付き合い方

LH実際に副作用はそうでした?

風間こーんなにいっぱい薬をもらうわけですよ。薬をもらって(副作用を)薬で潰すと思ったら何も怖いこともないし。病院で「あのね、抗がん剤やって太る人もいるから」、「えー、なんで?」って聞いたら「食べられる時に食べなきゃと言ってドカ食いするの、みんな」って(一同大爆笑)。「あー、そこは気をつけなきゃ」なんて。そんなふうに主治医と話ができたので。

LH先生方とも相性が良かったのですね。

風間私、医療者と話しにくいなんて1ミリも感じたことがないんです。医療者との間にストレスを抱えている患者って結構いるじゃないですか?それが全くなかった。こっちの聞きたいことは全部言ってくれますし。

LH風間さんの場合、分からないことはきちんと聞いてそれに対してきちんと答えてくれる先生、看護師さんがいたからこそできたのですね。さっきの話ではないですが太っちゃう話など笑っちゃいますね。そんな感じで話をしてくれる先生に当たったということも大きいですよね。

風間そう思います!妹の主治医も何かにつけて「やってみましょう!大丈夫ですから」と言って患者に不安やストレスを与えない先生だったし、私の主治医も乳腺外科、形成ともにそんな感じの先生でした。
私も、(抗がん剤の副作用が)ものすごい状態を想像していたので。そりゃ抗がん剤で髪の毛も全部抜けましたし。若干気持ちも悪くなって、味覚障害もありましたけど、食べられないものは食べなきゃいいだけで、今食べられるものは食べればいいって。

LHすごい割り切り!

風間例えばコーヒーが一切飲めなくなったんですよ。でもラテは飲めたので、「じゃあ、これでいいじゃん!」ってそんな感じで。「味覚障害って一瞬じゃない?」と思って。こう思える人もそうそういないと思うんですけど…なんかね、せっかくがんになったんだから(普段ない体験だから)もったいないじゃんと思って(笑)。

LHその考えはすごいですね。

風間抗がん剤をやらないという選択もあったのですが、やればやったことがある人とこれから話ができると思って。

LH体験したい?

風間そう!「いいじゃん!髪なんか抜けたって。また生えてってくるでしょ」と思って。そういうふうに思うように…多分しているんです。

LH患者さんの方は情報量が少ないし、治療方針や日常の疑問など先生には聞きにくいと思っている人がたくさんいらっしゃいます。

風間私は率直に言っちゃいます。私はそろそろ服用しているホルモン剤の種類を変える時期に来ているんです。ただ、副作用の関節痛が辛いという話もよく聞くので、主治医には辛いのは嫌だからギリギリまで今の薬を続けたいと伝えています。

LH自分が嫌なことははっきり言うということですね。

風間伝えたほうがいい。そこに納得ができる説明をしてくれれば変えますし。抗がん剤やった時もそうなのですが、患者自身が納得して治療の選択をするということが大事なのだと思います。

LHきちんと納得して治療に向き合う。先生方にはなかなか自分の意見を言いづらい人という方もいるけれど、そこはちゃんということが大事だと。

風間そこはきちんと話をしたほうがいいと思います。

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